最新情報・ブログ

2021年1月12日

【ブログNo.64】語学を通して見えてくる世界

ゼントラストの浅田です。前回まで、ベトナム語の勉強方法を紹介してきましたが、ベトナム語の不思議な特徴について、今回はお届けします。

こちらはベトナムの注意書きですが、これを見て、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか?アルファベットの上に、よくわからないものが付いています。これはいわゆる、声調と呼ばれるものです。文末の発音を上げたり下げたりして、意味を表現します。そしてこの単語「chu y」の意味は、なんと「注意」です。日本語の「注意する」とほぼ同じ発音で、同じ意味になります。他にも、日本語にとてもよく似ている単語が多くあります。例えば「意見」は「y kien」、「公安」は「cong an」、「代理」は「dai ly」となります。なぜ日本語に似ているのでしょうか。その答えは、日本もベトナムも、中国語(漢語)からたくさんの単語を輸入していたからです。

もっとも、漢字が輸入される前から存在する、基本的な単語である、「目」「雨」「犬」などに関しては、日本語とベトナム語はまったく違います。しかし、小学生以降で学ぶような少し難しい単語「発展」「公衆」「楽観」などは、日本もベトナムも、おそらく朝鮮半島の言葉も、中国語由来なのです。

言語以外にも、中国の文化は、仏教や箸文化に代表されるように、ベトナムには色濃く残っています。ベトナム語を学ぶと、いかに昔の中国が巨大な勢力を持っていたのか、その隣国でベトナムが独立を保ち続けることが、いかに大変だったのかがよくわかります。その巨大な中国が衰え、欧州列国や日本に植民地化されたのが、19世紀から20世紀、ここ100年ほどの歴史でした。中国では「百年国恥」という単語があり、その屈辱を表現するそうです。そう捉えると、いま自信を取り戻しつつある中国の膨張主義の理由が見えてくる気がします。

話が広がりましたが、言語を学ぶと、歴史も含めて、いろいろなものが見えてきますね。今回はこのあたりで失礼します。読んでいただき、ありがとうございました。