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2021年7月27日

【No.89渡邊】住空間を考える楽しさ

ゼントラストの渡邊です。

私が学生の頃、父が家を建て替えました。
母と結婚する時に、父が実家から借金して建てた木造平屋建ての家は、年月と共にだいぶ傷んでいましたし、手狭にもなっていて庭にプレハブを建てて凌いでいたのです。

新しい家は2階建てがいい!
(父は3階建てが良かったらしい)
自分の部屋が欲しい!
広~いリビングが欲しい!
書庫が欲しい!
システムキッチンがいい!
掘り炬燵が欲しい!

家族みんなから色々な希望が出ました。

住宅メーカーの家に決めましたが、間取りや建材を選ぶことができましたので、休日に家族揃って何度も打ち合わせに行きました。

広~いリビングを希望していたのは父でした。
下図のような間取りを予定していたのですが…
間取り1

住宅メーカーの担当者より
「構造上、DKとリビングの間の壁に、垂直に壁を立てる必要があります」
と言われてしまいました。
例えばこんな風に。

父は酷く落胆していました。
せっかく広いリビングにしたかったのに、なんでこんな所に壁を作らなければいけないのか、と。
そんなに広~いリビングが良かったのか…と、ちょっと意外に思いましたが、構造上必要ということでしたら仕方ありません。

それでも一番良い形で壁を配置したいと様々に考え、アイデアを出しました。
最終的な壁の位置はこちら↓のとおりです。

中途半端な位置だなと感じられた方もいることでしょう。

実は家具を置くことを想定してこの位置にしたのです。

しっくり収まっていますでしょう!
壁の存在も邪魔にならず(寧ろ壁があって丁度良いくらい)我ながら本当に良い案を思いついたなと自画自賛していました。

床やクロス、建具や設備を選ぶのも楽しかったです。
色や質感が好みのものを選び、組み合わせ、この先過ごすこととなる住空間をうんと居心地の良いものにしたいと、新しい家での生活に思いを馳せていました。

2階の床面積は少なくなってしまうけれど、玄関を吹き抜けにして、2階廊下の手摺をバルコニーの柵のようにしました。
2階中央の部屋は風通しが悪いので(北側に入口ドア、南側に窓があるだけ)、廊下と居室の間の壁に小窓を設けました。
それまで住んでいた家を解体した時はちょっと物寂しかったですが、新しい家が竣工した時の喜びはひとしおでした。
一番喜んでいたのは父だったのでは、と思います。
(ちなみに、冒頭に書いた家族みんなの希望は全て叶いました♪)

今想い返してもワクワクとした楽しい気持ちが沸き起こってきます。
あの時の体験が、衣食住の「住」に関わる現在の仕事に繋がっているのかもしれません。