2020年11月13日
ゼントラストの浅田です。今回は法律規制の話を書いてみようと思います。意外と見過ごされがちなのですが、土地には用途規制といって、その用途が法律によって定められています。無秩序な開発を食い止めることが目的なのですが、一般的には都心や駅前では様々な建物の建設が認められやすく、地方や山奥になると認められにくくなります。その線引きのひとつとして、今回は都市計画法に定められた「市街化調整区域」を紹介します。
市街化調整区域に指定されると、建築は原則不可となります。建物が建てられないとなると、当然、土地の価値は下落してしまうので、不動産業者としては、あまり好かれない単語です。
名古屋駅から30分ほどの地方都市に、私のお客さんが所有する土地建物があり、倉庫として使用されていました。営業活動を進めた結果、ラッキーにも買主候補が見つかりました。その方の目的は建っている倉庫を壊し、自動車整備工場として建物を建築したい、とのことでした。ただし、その土地は市街化調整区域にあったのです。当然、倉庫を解体しても再建築は許可されないため、あきらめてしまう業者が大半だと思います。しかし、私(というか当時は新入社員だったので、私の上司)は違いました。「浅田、なんとかしろ」と無理難題を言うのです(笑)。そこで私は、法律の例外をくまなく探しました。何とかそこで見つけたのが「既存宅地の特例」です。そもそも、市街化調整区域という概念ができたのは、昭和45年であり、それ以前は何でも建ててよかったのです。その既得権益を守るため、昭和45年より以前に建物が建っていれば、その土地においては再建築が認められるという例外がありました。ただし、一筋縄ではいきませんでした。再建築にあたっては「同一用途に限る」というもうひとつのハードルがあったのです。つまり、倉庫として使っている建物を解体したら、倉庫しか再建築ができず、買主の希望である工場は建てられないことが発覚したのです・・。さて、私はどうこの難題を乗り切ったのでしょうか。長くなってきたので、続きはまたにします。次回、お楽しみに!
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